トリプタン製剤
トリプタン製剤は片頭痛の特効薬と言えるでしょう。
片頭痛発生のメカニズムに即して奏功する薬剤ですので、一般的な消炎鎮痛剤とはまったく異なるものです。歯痛や腰痛に使用しても何の効果もありません。
トリプタンの種類
日本では現在5種類のトリプタン製剤が使用可能です。
- スマトリプタン(商品名イミグラン)
- エレトリプタン(商品名レルパックス)
- ゾルミトリプタン(商品名ゾーミッグ)
- リザトリプタン(商品名マクサルト)
- ナラトリプタン(商品名アマージ)
スマトリプタン(商品名イミグラン)は、錠剤のほかに、点鼻薬、注射薬、自己注射用注射薬の4種類があります。
ゾルミトリプタン(商品名ゾーミッグ)とリザトリプタン(商品名マクサルト)は、錠剤の他に水無しでも内服できる口腔剤があります。あとは錠剤のみとなっています。
もちろんトリプタン製剤といっても、みな同じというわけではありません。効果が強いものや弱いもの、副作用が強いものや弱いものなど一つ一つに特徴があります。
使用時の注意
服用のタイミングが大切です。
片頭痛は頭蓋内外の血管が過剰に収縮した後、反動的に拡張することで起こります。
トリプタン製剤は拡張した血管を収縮させる働きをします。
ですから血管が収縮している時期に使用しても意味がないのです。
つまり前兆期や前駆症状時に服用しても効果は期待できません。
頭痛発作が起こってすぐに使用するのが理想的です。
片頭痛発作時には嘔気嘔吐、胃内容停滞などを伴うことがあるので、内服した薬剤がうまく吸収されず十分効果を発揮できないことがあります。
そのような場合は制吐剤を併用したり、点鼻薬や注射剤に変更する必要があります。
トリプタンが無効の場合、まず服用のタイミングや服用量が適切かどうかをチェックします。
タイミングを工夫しながら三回トライしてもやはりダメな時はトリプタンの種類を変更してみます。
各トリプタンの効果には個人差があります。あるトリプタンが無効でも他のトリプタンが有効なことがあるからです。
トリプタンの乱用がないかどうかも常にチェックしなければなりません。
なるべく連用を避けて、1ヶ月あたり10日以内の使用にとどめることが必要です。
乱用ぎみになると1年ぐらいで効力が低下し、効かなくなってしまうことがあります。
何よりも自分の片頭痛の特徴を熟知することです。
前兆や前駆症状のパターンを良く知り、どのタイミングで服用したときが一番良い効果が得られたかをおぼえましょう。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。