頭痛のはなし

頭痛のはなし

頭痛はたいへんポピュラーな症状です。

 たいていの人は人生のどこかで一度や二度は頭痛を経験します。
統計によるとわが国では、風邪や二日酔いをのぞいて一年に一回以上頭痛を経験する人は、三千五百万人存在するとされています。

頭痛

 世界的に見ても頭痛はそれこそ人類の「頭痛のタネ」らしく、国際頭痛学会というものが組織され、頭痛の分類や治療法の研究がさかんに行われています。
1988年、国際頭痛学会によって頭痛の分類と診断基準が提唱されました。

The international classification of headache disorder:IHCDといわれるものです。(最近、といっても2004年ですが改訂されてIHCD-Ⅱとなっています)

 この基準がほぼ国際的な合意を得たので、各国の医師が共通の尺度でさまざまな治療法の評価をし合うことができるようになりました。それによって世界の頭痛治療レベルが大きく進歩したのです。

頭痛は大きく分けると

 1.一次性頭痛
 2.二次性頭痛
に分けられます。
 器質的疾患をともなわないものを一次性、クモ膜下出血や脳内出血や髄膜炎など器質的異常をともなうものを二次性とよびます。二次性頭痛の多くは脳神経外科などの治療が必要です。

 一次性頭痛はいわゆる「慢性頭痛」といわれるもので、ペインクリニック科での治療対象となります。 
一次性頭痛は
 1.片頭痛
 2.緊張型頭痛
 3.群発頭痛
 4.その他
 に分けられますが最も多いのが「緊張型頭痛」で次に「片頭痛」が続き「群発頭痛」はごくわずかです。

 わが国では国民の約12%がこれら一次性頭痛に罹患しているといわれています。どの頭痛も生命的予後は良いのですが、生活の質(Quality of life)を著しく損ねます。
そのため医療者にとってもたいへん関心の高い分野なので、研究もさかんに行われています。

 なぜ頭痛が起こるのかについても日々新しい知見が得られています。また治療法の面でも新薬が出たり、従来のクスリや治療の組み合わせの工夫で新しい効果が発見されたりしています。